プレゼンテーションZENを読んだ

学生時代に研究室の教員から「これくらいは流石に読んでるよな?」と煽られたにも関わらず読んでなかった「プレゼンテーションZEN」を読みました。

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ZENは「禅」を指しています。その名の通りこの本ではプレゼンが成功する方法ではなく、良いプレゼンをするための考え方やアプローチが書かれています。

ここでは、読んでいて心に刺さった点を幾つか挙げます。


プレゼンテーションの主役は自分

当たり前ですが、プレゼンの主役はPowerPointではありません。話をする自分自身です。そもそもPowerPointで全てを説明できるとしたらスピーカーは不要です。それに下で述べるようにPowerPointはテキストを詰め込むツールとしては適切ではありません。 人がプレゼンを行う際には、必ずその人にしか伝えられないアイディア、経験があります。PowerPointKeynoteなどのプレゼンテーションツールは、スピーチを引き立たせるための補助的な役割でしかないのです。

この考え方に立つことで、スライドを作るアプローチが劇的に変わると思います。「情報を載せなきゃ」というマインドで作るスライドと、「自分が話したいことをどうやって引き立たせるか」というマインドで作るスライドではきっと完全に違うものが出来上がるでしょう。

悪しき習慣のスライデュメント

本の中で著者は「スライドはシンプル」にと何回も説いています。スライドはスライドとして、資料は資料として用意するべきである、と。そして、スライドと資料が混ざったものを「スライデュメント」(Slide + Document)と呼び、それは非常に中途半端で良くないものであると主張しています。スライデュメントとは、スライド一面が大量の文字で埋め尽くされたり、箇条書きで埋まったりしているようなスライドのことを指しています。

しかし、現在ビジネスの場ではこの「スライディメント」が多く見られます。むしろPowerPointを使ってプレゼンする際の基本的な形とさえなっています。著者はこれを「一石二鳥だと思っている人がいるかもしれないが、二兎追う者は一兎も得ずである」とバッサリ切り捨てています。たしかに、PowerPointのスライドは、詳細を事細かに書けるようにはなっていませんし、文字を詰め込んだところで聴衆から読めなくなってしまっては意味がありません。詳細を伝えたいならWordなどで資料を作成して、それを後で読んでもらえばいいのです。

「究極的に何が言いたいのか」を考え抜く

自分が聴衆として聞く場合を想像するとわかると思いますが、100%の集中力でプレゼンを聞き続けるなんてことは不可能です。だいたいどこかで集中力が切れます。 だからこそ、準備の段階で「自分はプレゼンを通して聴衆に何を伝えたいのか」を考え抜き、それが伝わるような構成でプレゼンテーションを組まなければなりません。プレゼンを作る際には、「聴衆はたった自分のプレゼンの中でたった1つのことしか記憶に残らない」というつもりで作るべきなのです。

プレゼンを作っているとついつい色んなことをスライドに書きすぎてしまいますが、可能な限り削るべきです。ZENでは、プレゼンの準備に必要なのは「抑制」であると説いています。伝えたいことを詰め込みすぎて、聴衆の集中力が切れてしまったら最後、そのプレゼンは誰の記憶にも残らないものとなってしまいます。可能な限りシンプルに行くべきなのです。


上記に書いたのはまさにプレゼンテーションにおける禅のような考え方や姿勢でしたが、この本にはスライドを作る際のデザインの原則や、スピーチの場において必要なことなど、実践的なこともかなり載っています。スライドのサンプルもかなり多いです。今後も何かとプレゼンをする機会はあるので、この本を参考にして、禅のような精神で鍛錬を積みたいと思います。