よーぐるとのブログ

技術ネタを中心。私的なことを徒然と綴っていきます。

エンジニアのための時間管理術を読んだ

オライリー出版のエンジニアのための時間管理術を読みました。ここではその感想と、最近感じてる時間の使い方について書こうと思います。

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エンジニアのための時間管理術

原題はTime Management for System Administratorsなので厳密には「システム管理者のための時間管理術」なのだけれど、多くのエンジニアにはもちろん、非エンジニアである人でも参考になるような良書です。

この本が魅力的なのは、著者の語り口によるところが大きいです。この本は著者の経験談や悪戦苦闘の歴史に基づいて書かれており、あくまで「自分はこれでうまく行った」という書き方で押し付けがましさがありません。

また、ユーモア豊かに書かれており翻訳もとてもチャーミング。例えば4章にはこのような文章が出てきます。

SAは、一般に頭の切れる人々です。あなたは賢いし、筆者も賢いのです。皆が賢いのです。

・・・最高じゃないですか?ところどころこんな感じで進んでいくので、読んでいてすごく楽しかったです。

内容をかいつまんで

この本は、タイムマネジメントの考え方や、その実践方法についてこと細かに書かれています。 とはいえそれを全て書くのは不可能なので、印象に残った部分をいくつか挙げていきます。

TODOは全て外部記憶に頼ろう

(他の仕事も多くはそうですが)エンジニアは頭脳労働です。仕事の際には仕事に集中できる環境を整えておく必要があります。 この本では集中して仕事に取り組むため、何か気になることや、やることがある場合は全て外部記憶(TODOリストやその他の記録ツール)に書き出すことを勧めています。人間は忘れる生き物です。「明日Aさんに電話する」でも「今日牛乳を買いに行く」でも、何かを覚えておくことは多かれ少なかれ頭脳に負荷がかかります。それらを外部に書き出すことで、より眼の前の仕事に集中できるとしています。

決断の回数を減らそう

この本では、上で書いた「やらなきゃいけないことは外部記憶に頼る」以外に「決断の回数を減らす」ことについてもその重要性が主張されています。 本当かどうかわかりませんが、かのアルバート・アインシュタインは同じスーツを7着持っていたと言われています。日常の些末な(人によっては違うかもしれませんが)決断に労力を割かないことで、自分の能力を全て学問に捧げることができたと。

我々の脳の容量は限られています。この本では、本当に大事なところで能力を発揮するために、日常における決断の回数を減らすべきであると述べられています。

何回もやる作業はルーチン(習慣)化する

では、実際に決断の回数を減らすにはどうすればいいか。著者はそれに対する回答はルーチン(習慣)を作成することであると述べています。習慣化しているということは、考えずにその行動が行えるということに近いです。 ルーチンとは「一度だけ考え、何度も実行するための手段である」と定義されています。これはプログラマならよく理解できることだと思います。プログラムは、一度書いたら何度でも実行できるものなのですから。

僕自信が最近作成したルーチンの例を紹介します。それは、「財布や家の鍵などの外出時に持ち歩くものは全て、自室の小箱にしまう」というものです。これを定める以前は、財布や家の鍵の場所が帰宅したときによって変わってしまい、家を出る時に鍵がない、財布がない、といった事態は多々ありました。そこで、「財布や定期券、家の鍵、イヤフォンなどの外出時に持ち歩くものは自室の小箱に全て置く。帰宅したらまずそこにそれらのアイテムをしまう」というのを習慣づけました。これによって、出かけるときに必要なものを探す必要はなくなり、結果として時間の節約になっています。

時間を上手く使うために

社会人になって、日常の自由時間がかなり少なくなったと感じます。しかし一方で、生活サイクルが定まることによってより日常の行動が最適化され、空きの有意義な時間が増えたような気持ちにもなっています。 学生の頃は、生活サイクルなんてかけらもありませんでした。目が覚めたときに起きる、眠くなったら寝る、研究が忙しければキリがつくまでやる。全てを自分の裁量でさばけるという意味では自由でしたが、「いつお昼を食べよう」「いつ帰ろう」といった些細な考え事が常に頭のなかに合ったと思います。そういったことを考えているだけで時間がすぎ、貴重な時間を無駄に消費していました。 働くようになってご飯を食べる時間、寝る時間、起きる時間はほぼ固定になりました。これによって自分の空き時間を自分がやりたいことに純粋に使えるようになったと感じています。別にアインシュタインになりたいわけではないですが、学ぶにしても遊ぶにしても「時間を無駄にしていない」という感覚は非常に気持のいいものです。 これからも良い習慣を作っていきたいなと思った次第です。